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岡山地方裁判所 平成8年(ワ)28号 判決

原告

片桐秀元

被告

梶坂晃子

ほか一名

主文

一  被告らは、原告に対し、各自金一四三七万五七八八円及び内金一三〇七万五七八八円に対する平成五年二月二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告のその余の請求をいずれも棄却する。

三  訴訟費用はこれを五分し、その三を被告らの負担とし、その余を原告の負担とする。

四  この判決は、原告勝訴部分に限り、仮に執行することができる。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  被告らは、原告に対し、各自金二五〇〇万三〇六七円及び内金二三〇〇万三〇六七円に対する平成五年二月二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

2  訴訟費用は被告らの負担とする。

3  仮執行宣言

二  請求の趣旨に対する答弁

1  原告の請求をいずれも棄却する。

2  訴訟費用は原告の負担とする。

第二当事者の主張

一  請求原因

1  交通事故(以下「本件事故」という。)

日時 平成五年二月二日午後二時一〇分頃

場所 岡山市西大寺五明三二三番地先県道交差点(県道岡山牛窓線上)

加害車両 普通貨物自動車(岡山四一て五五五八)

右運転者 被告梶坂晃子(以下「被告梶坂」という。)

被害車両 普通貨物自動車(岡山四〇み六三七二)

右運転者 原告

態様 前記日時場所において被害車両と加害車両が出合頭に衝突した。

2  責任

被告梶坂は、本件事故当時、仕事中に加害車両を運転していたものであるが、左右の安全を確認しながら右折進行すべき注意義務違反の過失があったから、民法七〇九条の責任を負う。

被告山田正人は、加害車両の保有者であり、かつ、被告梶坂の使用者であるから、自動車損害賠償保障法三条及び民法七一五条の各責任を負う。

3  権利侵害

原告は、本件事故により顔面打撲・挫創、頸椎捻挫、胸部・左膝・頭部打撲傷、左股関節脱臼骨折、骨盤骨折、左足第一趾・第三趾・第四趾末節骨骨折の傷害を受け、次のとおり入通院による治療を経て、症状固定し、後遺症が残った。

(一) 治療経過

平成五年二月二日から同月三日まで

岡村一心堂病院(入院日数二日)

平成五年二月三日から平成七年四月一五日まで

竜操整形外科病院(入院日数八五日・通院実日数二〇日)

平成五年三月二二日から平成七年三月三一日まで

操風会岡山旭東病院(入院日数六三日・通院実日数一二〇日)

(二) 症状固定

頭部外傷後遺症、右上肢振戦について平成七年三月三一日

顔面打撲・挫創、頸椎捻挫、左股関節脱臼骨折、骨盤骨折、左足第一趾・第三趾・第四趾骨折について平成七年四月一五日

(三) 後遺症

平成七年五月三一日、後遺障害等級第一一級の事前認定を受けた。

4  損害額

(一) 治療費 四二五万七八七〇円

(1) 岡村一心堂病院 二三万四一九〇円

(2) 竜操整形外科病院 二五六万六二八〇円

(3) 操風会岡山旭東病院 一四四万七七九〇円

(4) 岡山労災病院 二〇〇円

(5) 岡山市民病院 九四一〇円

(二) 入院雑費 一九万五〇〇〇円

(一三〇〇円×一五〇日)

(三) 通院交通費 二八万九九六〇円

(四) 退院謝礼 四万三五〇〇円

(五) 傷害部分慰謝料 二七九万円

(六) 休業損害 五七九万四六七五円

原告は、右受傷により、平成七年二月二二日に復職するまで休職した。その間の所得減少分は、別紙休業損害計算書(イ)(ロ)(ハ)(ニ)の合計額になる。

(七) 逸失利益

〈1〉 六〇歳まで実額計算(別紙休業損害計算書(ホ)(ヘ)のとおり)で、六一歳から六七歳まで労働能力喪失率二〇パーセントで計算すると

計 一三二二万〇四四三円

〈2〉 六七歳まで労働能力喪失率二〇パーセントで計算すると

計 一八八一万三〇九四円

(八) 後遺障害慰謝料 三九〇万円

(九) 物損 二四万二七〇〇円

車両損害八万円、レッカー代四万一二〇〇円を含む。

(一〇) 弁護士費用 二〇〇万円

5  損害の填補 四七三万三九九〇円

被告が付保する保険会社が、治療費等として負担した。

6  よって、原告は、被告らに対し、各自右差引損害金合計額(逸失利益につき、〈1〉の計算式によると合計二八〇〇万〇一五八円、〈2〉の計算式によると合計三三五九万二八〇九円)のうち、二五〇〇万三〇六七円及びうち弁護士費用を除く二三〇〇万三〇六七円に対する本件事故日である平成五年二月二日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

二  請求原因に対する認否

1  請求原因1、2は認める。

2  請求原因3は、右上肢振戦と本件事故との因果関係について争う。神経学的には、原告の知覚・反射・筋力等に異常はなく、また、MRIによっても異常がないのであるから、原告の右上肢振戦は、本件事故と因果関係はない。

仮に、本件事故と振戦との間に何らかの因果関係があるとしても、原告の特異体質が大きく寄与していると考えられるのであって、公平の原則から過失相殺の考え方を使用して、少なくとも五割の過失相殺を行うべきである。

請求原因3のその余の事実は認める。

3(一)  請求原因4(一)は、右上肢振戦に関する治療費を除いて認める。

(二)  請求原因4(二)は、一日八〇〇円の範囲で認める(八〇〇円×一五〇日=一二万円)。

(三)  請求原因4(三)は認める。

(四)  請求原因4(四)は争う。退院謝礼と本件事故との因果関係はない。

(五)  請求原因4(五)、(六)は争う。

(六)  請求原因4(七)は争う。本来一一級(労働能力喪失率二〇パーセント)の後遺障害の場合、六七歳まで二〇パーセントの喪失率のままであるということはなく、その期間は五年程度である。

(七)  請求原因4(八)は争う。

(八)  請求原因4(九)は認める。

(九)  請求原因4(一〇)は争う。

4  請求原因5は認める。

三  抗弁(過失相殺)

原告は、走行中、一〇〇メートル以上手前の距離から交差点内の加害車両を確認することが可能であったから、普通に前方を注視しておればその後の加害車両の動向を予測でき、原告としては減速するか、自車の左車線に車線変更するかして容易に衝突を回避することができた。他方、加害車両が交差点内で右折を開始した後に、左方から近づいてくる車との衝突を避けようとして停止した位置は、本件衝突を回避する関係では、さほど責められるべき位置ではない。よって、原告には、少なくとも七割の過失がある。

四  抗弁に対する認否

争う。

第三証拠

本件記録中の書証目録及び証人等目録に記載のとおりであるから、これを引用する。

理由

一  交通事故

請求原因1は、当事者間に争いがない。

二  責任

請求原因2は、当事者間に争いがない。

三  権利侵害

1  請求原因3は、本件事故と右上肢振戦との因果関係を除き、当事者間に争いがない。

2  そこで、次に、本件事故と原告に発症した右上肢振戦との因果関係につき検討する。

証拠(甲二ないし一〇、一九ないし二一(いずれも枝番を含む)、乙八、九、証人原靖隆、原告本人、竜操整形外科病院に対する調査嘱託の結果)によると、次の事実が認められる。

原告は、本件事故によって、顔面打撲・挫創、頭部打撲傷等の傷害を負った。

原告の右上肢振戦の症状は、事故前にはなかったが、原告は、本件事故後竜操整形外科病院に入院中の平成五年二月一〇日頃、右手でうまく字が書けないのに気づき、また、受傷から約三週間後には、原告の妻が、原告の右手の振戦に気づいた。原告は、その後、平成五年三月二二日から平成七年三月三一日までの間、振戦の治療のために操風会岡山旭東病院に入通院したが、右上肢振戦は薬物で多少軽快することがあるものの、完治せずに今日に至っている。原告は、神経学的には知覚・反射・筋力等に異常が認められず、MRIによっても異常が認められなかったものの、右上肢振戦のために、現在もなお、普通の時は軽い振戦を認め、書字や箸を使う等の精神的な緊張を伴う時には著しく振戦が増強する状態である。

原告は、操風会岡山旭東病院において、頭部外傷後遺症及び右上肢振戦につき、平成七年三月三一日に症状固定と診断された。

以上のとおり認められる。

帝京大学脳神経外科助教授中込忠好作成の医学意見書(乙八)によると、原告に発症した振戦は、姿勢性振戦あるいはそれに運動性振戦が合併したものと考えられるが、その原因については、原告の頭部外傷の程度が軽く、MRIで脳損傷が認められていないことから、脳の損傷に基づくものであるとすることはできないし、また、右手に外傷を受けていないことから、末梢性の原因によることも否定でき、結局、原告の振戦は原因不明の本態性振戦である可能性があり、その発症が頭部外傷によって促進された可能性も完全には否定できないとされている。また、原告の竜操整形外科病院における主治医であった原靖隆医師の証言によると、原告は本件事故による精神的ショックが原因で右上肢振戦が発症した可能性があるとのことである。

前記認定事実に右中込意見書及び原医師の証言を併せ考慮すると、原告は、本件事故によって頭部を強く打撲し、本件事故後、わずか約二週間で振戦が発症していること、本件事故以外に格別、振戦の誘因になるものが見受けられないことから、本件事故による頭部外傷又は精神的ショックが誘因となって右上肢振戦が発症したものであると認めることができる。

なお、被告らは、振戦の発現には原告の特異体質が大きく寄与していると考えられるから、原告の体質的素因を考慮して損害額の五割を減じるべきであると主張するが、本件事故前原告に右上肢振戦を生じさせるような特異体質があったことを窺わせるに足りる証拠がないから、本件では、損害賠償額の算定にあたって原告の体質的素因を考慮することもできない。

そうすると、本件事故と原告の右上肢振戦との間には、一〇〇パーセント相当因果関係があると解するのが相当である。

四  損害額

1  治療費 四二五万七八七〇円

前示三2によると、本件事故と原告に生じた右上肢振戦との間に相当因果関係が認められるから、原告請求にかかる治療費の全額が、本件事故と相当因果関係のある損害であると認める。

2  入院雑費 一九万五〇〇〇円

原告の入院日数が合計一五〇日であることは当事者間に争いがないところ、一日当たりの入院雑費は一三〇〇円と認めるのが相当であるから、一五〇日間の入院雑費合計は一九万五〇〇〇円となる。

3  通院交通費 二八万九九六〇円

通院交通費については、当事者間に争いがない。

4  退院謝礼 四万三五〇〇円

証拠(甲一四、証人片桐敏子、原告本人)によると、原告は、竜操整形外科病院退院時に医師等への謝礼として四万三五〇〇円を支出したことが認められ、原告の傷害の内容、程度、入通院期間等諸般の事情を考慮すると、右支出は社会通念上相当な謝礼と認められるから、これも本件事故と相当因果関係のある損害と認める。

5  傷害部分慰謝料 二五〇万円

本件事故の態様、原告の受傷の部位、程度、治療経過等を総合考慮すると、傷害部分慰謝料は二五〇万円と認めるのが相当である。

6  休業損害 五四三万三四九一円

証拠(甲一五、一六、原告本人)並びに弁論の全趣旨によると、原告は、本件事故当時は消防士として岡山市北消防署津高出張所に勤務し、事故前の年収は八二三万九八三九円であったこと、原告は、本件事故の翌日である平成五年二月三日から同月四日までの欠勤については公休扱いとされ、同月五日から同月二〇日までの欠勤については有給休暇日数合計一六日を充て、その後は病気休暇扱いになり、同年五月二二日以降は病気休職扱いになったこと、毎月の給与は、本件事故後平成六年五月二二日までは全額の支給を受け、病気休職に入って一年が経過した同月二三日から復職した平成七年二月二一日までの間は八割の支給を受けたこと、賞与については、平成五年六月分から平成七年三月分差額まで、欠勤によりそれぞれ応分に減額支給されたことが認められる。

右認定事実によると、原告の平成五年二月三日から平成七年二月二一日までの休業損害は、別紙休業損害計算書の(ロ)(ハ)(ニ)の合計五四三万三四九一円と認めるのが相当である。

なお、原告が休業期間中に保有していた有給休暇日数一六日を使用したことについては、有給休暇の買取制度が存在しない限り、有給休暇を失ったとしても金銭的損害として直接現実化することはないものというべきところ、本件全証拠によっても原告の勤務先に有給休暇の買取制度が存在することを認めることができないから、有給休暇喪失分を損害と認めることはできないものというべきである。

7  逸失利益 一三二二万〇四四三円

証拠(甲一五、一六、原告本人)によると、原告の平成四年度の給与所得は八二三万九八三九円であるところ、前記三の原告の後遺障害の部位、内容、程度、勤務先の事情等を考えあわせると、原告は、症状固定後岡山市消防局を六〇歳で定年退職するまでの間、別紙休業損害計算書(ホ)(ヘ)記載のとおり合計九五九万三三七二円の所得の減少が見込まれ、原告は、六一歳から六七歳までの間についても、六一歳男子の平均賃金四六四万八九〇〇円(賃金センサス平成七年第一巻第一表)を基準として、少なくともその二〇パーセントを喪失したことが認められる(四六四万八九〇〇円×〇・二×(一三・一一六-九・二一五)=三六二万七〇七一円)。

よって、原告の逸失利益は一三二二万〇四四三円になる。

8  後遺障害慰謝料 三五〇万円

前記認定の後遺障害の部位、内容、程度、原告の年齢、就業状況等を総合考慮すると、後遺障害慰謝料は三五〇万円と認めるのが相当である。

9  物損 二四万二七〇〇円

物損については、当事者間に争いがない。

1ないし9の合計 二九六八万二九六四円

五  過失相殺

証拠(乙一ないし七(枝番を含む)、原告本人、被告梶坂本人)並びに弁論の全趣旨によると、次の事実が認められる。

本件事故現場は、南北に通じる片側二車線の県道岡山牛窓線(最高速度時速五〇キロメートル)と東からの片側二車線の道路が交差する、信号機の設置されていないT字形交差点であり、交差点東詰に一時停止の交通規制がなされている。

本件事故当時の天候は晴天であり、道路の状態も、アスファルト舗装された平坦な路面であり、よく乾いていた。

交差点周辺の見通しはよく、交通量も普通であった。

被告梶坂は、加害車両を運転し、時速約二〇キロメートルで本件事故現場交差点の手前にさしかかり、県道岡山牛窓線を北進するため右折しようとして右折合図を出して交差点東側の停止線の手前に一時停止した。このとき、被告梶坂は、交差点に向けて走行してくる被害車両を右方約一一一・八メートル先に発見した。原告運転の被害車両は、県道岡山牛窓線を北から南に向け時速約五〇キロメートルで内側センターライン寄りの車線上を走行していた。被告梶坂は、被害車両と十分な距離があることから自車が先に右折することができると考え、停止位置より発進し、時速約八キロメートルで交差点に進入したところ、県道岡山牛窓線を南から北に向け中央車線上を走行してくる車両を左方に発見したためブレーキをかけ、被害車両の走行する車線上に停止した。

他方、原告は、被害車両を運転中、入院中の母親の容態のことなどに思いを巡らせて前方をよく見ていなかったために、衝突寸前になってはじめて加害車両に気付きブレーキをかけたが、間に合わず、被害車両の前部と停止していた加害車両の右前部とが衝突した。

以上のとおり認められる。

右認定事実によれば、被告梶坂は、左右の安全確認が十分でなく、その上、被害車両の走行する車線上に自車を停止させたために、本件事故を引き起こしたのであるから、同被告に、右折の際の、左右の安全確認義務違反の過失及び交差道路を通行する車両等の進行を妨害してはならない義務違反の過失があることは明らかである。

他方、右認定事実によると、原告にも、前方注視義務違反の過失が認められる。

以上、検討したところに基づいて、本件事故における原告と被告梶坂との過失割合を考えると、原告が四、被告梶坂が六であるとするのが相当である。

よって、過失相殺後の原告の損害額は、一七八〇万九七七八円(円未満切り捨て)になる。

六  損害の填補 四七三万三九九〇円

請求原因5は、当事者間に争いがない。

七  弁護士費用 一三〇万円

本訴の内容、審理の経緯、認容損害額等を総合考慮すると、弁護士費用は一三〇万円と認めるのが相当である。

八  結論

以上によると、原告の請求は、被告らに対し、各自一四三七万五七八八円及び内金一三〇七万五七八八円(弁護士費用一三〇万円を控除)に対する本件事故の日である平成五年二月二日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容し、その余はいずれも理由がないから棄却し、訴訟費用の負担について民事訴訟法六一条、六四条、六五条を、仮執行宣言について同法二五九条をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 白井俊美)

休業損害計算書

(A) 休業損害

H4.1月~H4.12月迄の総支給額 8,239,839円………22,574円/1日

(イ) 有給分

8,239,839/365×16=361,184円

(ロ) 賞与差額分

H5.6月分 335,141円

H5.12月分 750,075円

H5.12月分差額 19,347円

H6.3月分差額 138,973円

H6.6月分 646,133円

H6.12月分 739,985円

H6.12月分差額 15,729円

H7.3月分差額 115,330円

以上小計 2,760,713円

(ハ) 給与差額分

(ⅰ) 給料分 H6.5.23日から8/10に減額

H6.5月分差額 25,790円

H6.6月~H6.12月 567,560円(405,400×2/10×7)

H7.1月から419,700に昇給ある為

同年1月分差額 91,700円(419,700-328,000)

同年2月分差額 62,523円(419,700-357,177)

以上小計 747,573円

(ニ) 手当減額分

H4年1月~同年12月迄の手当金計1,356,061円

これを1ケ月平均にすると113,005円となる。

しかるに片桐氏はH5年は手当として 633,316円

H6年は手当として 326,854円

H7年1月~2月は 52,755円

の支給しかない為、本来勤務していれば、H7年2月まで

113,005円×26ケ月=2,938,130円

支給されていたところ、実際の支給は、1,012,925円

となるので差額1,925,205円が損害となる。

(ホ) 将来の手当減額分

片桐氏は勤務が日勤事務職しか出来なくなり、その結果手当が将来にわたり減少となる。

平成4年の1年間の実績で1,356,061円のところ、平成6年では326,854円となり、この差額1,029,207円は定年まで続くことになる。

1,029,207×8.59(定年60歳迄のホフマン)=8,840,888円

(ヘ) 昇給差額

片桐氏は長期欠勤の為、他の同僚と給与で1号俸遅れている。

本来6―18等級では月給434,700円のところ、現実には6―17等級で427,400円となっている。そこで少なくとも差額7,300円は今後定年まで続く。

7,300円×12ケ月×8.590(定年60歳迄のホフマン係数)=752,484円

それ以外に今後もボーナスにも若干影響がでるが、当面不問とする。

以上休損総計

361,184円+2,760,713円+747,573円+1,925,205円+8,840,888円+752,484円=15,388,047円

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